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勝手にふるえてろ
綿矢 りさ
文藝春秋
2010
年8月 ISBN 978-4-16-329640-1 税込定価:1,200円
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とにかく、今年の夏は異常な暑さでしたね。読書欲が萎え気味だった方々も、多いのではないでしょうか。そろそろ秋。本が恋しい、と言う気持ちになって書店を訪れてくださればとても嬉しいです。 今回オススメしたいのは、恋愛小説です。著者は、最年少で芥川賞を受賞したあの綿矢りささん。『夢を与える』(河出書房新社)から三年ぶりの小説です。恋愛小説、と言っても、ウットリするような恋愛小説ではありません。主人公の会社員女子(26歳、元おたく、モテない系)は、中学の同級生男子にずっと恋心を抱きつつ、言い寄ってくる会社の同期の男と恋愛をしようと試みます。リアル恋愛を経験したことのない主人公が抱く、同期の男への微妙な嫌悪感、同級生男子への危険な執着ぶり、美人の同僚に対するフクザツな感情、そして絶滅動物への深い関心・・・。ひとりの女性の脳内という小さな世界を描いた作品ですが、人間の内面をコミカルに、それでいて皮を一枚はがすようにめくって見せるたぐいまれな表現力に興奮しました。 自分を好きだと言ってくれる男性を、「気持ち悪い」と思ってしまう経験は、女性なら(たぶん)経験があるのではないでしょうか。主人公の恋愛に関する行動は、「おいおい、それ違うだろ!」といちいちツッコミを入れたくなるほど間違っているし、変なことにこだわっていて笑いつつもイライラさせられるし、意味不明な迷惑行動をしますが、読んでいるうちにだんだん共感を覚えていくから不思議です。 綿矢りさという天才作家に再び出会えた喜びに震えました。女性の皆さんはもちろんのこと、女性の気まぐれ(?)に翻弄されたことのある男性にも、ぜひ読んでいただきたいです。
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夢を与える
綿矢
りさ
河出書房新社
税込定価:1,365円
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氏名:高頭佐和子 勤務店舗:丸の内本店 担当分野と年数:書店員歴13年。昨年より丸の内本店で文芸書を担当しています。 趣味または最近こっていること:休みの日に美術館に行くこと。 大好きなタイトル:須賀敦子『コルシア書店の仲間たち』 自分を簡単な喩えで紹介:子どもの頃から本が好きで、本屋になりました。単純な人生です。
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