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マイケルK
J.M.
クッツェー/著、くぼた のぞみ/翻訳 ISBN: 978-4-480-42251-4 (
448042251X
) 出版社:筑摩書房 刊行日:2006.8 1,050円(税込定価)
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「新型インフルエンザも収束段階に入った」と報道されたとある日。私はまさにインフルエンザで寝込んでいた。うわさのタミフルという薬も飲んだ。力ずくで押さえ込んでくる感覚が妙に不安定で、疲れを感じ、2日、3日と寝込んだ。愛妻の手料理、けなげな看病姿、そんな幻でも見ることができたら、また病もよし、だったのだが、残念ながら独り身はそれこそ身を削って台所に立ち、大量の豚汁をこさえては食べ、薬を飲み水分を摂り、湿った布団のなかで、また眠るのだった。 生きるには食料がいる。希望がいる。 ノーベル賞作家、J.M.クッツェーの「マイケルK」(ちくま文庫)は、今年話題になること間違いなし、の南アフリカが舞台。混沌とする街を逃れるために老いた母親を手製の手押し車に載せ、口唇裂のマイケルKは、ひたすらに安心して暮らせる場所を目指し・・・。マイケルKにふりかかる出来事は、あまりにも、あまりにもひどく、言葉を失う。まさに這いつくばるようにして生きる姿が、そこにある。 生きるには食料がいる。希望がいる。 「このすばらしき、どうしようもない世界」というパネルをつけてから、じわじわと売れてきている。読みやすくやさしい文章の背後にある緊迫感が、癖になる1冊。
新書「南アフリカの衝撃」(日本経済新聞社)は南アフリカという国が、ポスト・アパルトヘイト運動から黒人経済力増強政策(BEE政策)へ急激に舵をきり、アフリカ大陸隋一の経済大国になってしまった弊害や問題を浮き彫りにするとともに、入植者イギリスからだけでなく、さまざまな人種の視点からその歴史と民主主義を勝ち取るまでの変遷を記述している。 豊富かつ貴重な資源をバックに、国際競争のなかでどう立ち回るのか。また、「法としてつくられた人種差別」とは何だったのか、は未来のためにも議論し続けなければならない人類の課題となるだろう。 実際に訪れてみると、風光明媚な土地柄で食事もおいしく、気候も温暖で、犯罪さえ起こらなければ、天国のような国だと、聞いたことがある。安くておいしいワインは私も他の欧州産やカリフォルニア産よりもよく嗜む。サッカー・ワールドカップ開催の機運が、いまいちど、ラグビー・ワールドカップ優勝時のような国のまとまりを取り戻すことができるか、期待される。 生み出すことよりも、奪うこと。はぐくむのではなく、搾取すること。誰かが奪われ、誰かが奪うこと。もっている者が勝ちで、もたざる者が負けとなってしまう社会。そこには飽くなき欲望と不幸せの坩堝が待っている。 生きるには食料がいる。希望がいる。ただ、私のものだけでなく、みんなのものとして。
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南アフリカの衝撃
平野克己/著 日本経済新聞出版社 2009年12月 893円
4532260647
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氏 名 :
岩崎師博
勤務店舗 :
日本橋店
担当分野 :
1
・2階売場と新刊全般 趣 味
:
酒と昼寝と考え事 座右の書
:
「北村透谷選集」「岩波 哲学・思想事典」
自分を簡単に:
お酒が恋人。激しく愛しすぎるため いつも痛い目にあう。
⇒
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