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人形作家若月まり子さんの作品を12回にわたってご自身にご紹介いただきます。
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若月まり子(わかつきまりこ) 人形作家。 1982年 エコール・ド・シモンにて四谷シモンに人形制作を学ぶ。
1993
年 長野県松本市で開催された「信州博覧会」三協精機館にてオートマタ(自動人形)の妖精人形を多用したジオラマ〈森の妖精〉を制作出品。
1997
年 岡山県倉敷市・倉敷チボリ公園のオルゴールハウスに依頼され、オートマタ〈人魚姫〉制作。
1998
年2月 東京・大丸、大丸ミュージアムにて開かれた「妖精の世界展」に90体におよぶ妖精人形で構成したジオラマ〈夏の夜の夢〉と等身大球体関節による桐塑・石塑人形の〈廃墟の庭園の妖精〉の2点の作品を制作出品。
2007
年7月 うつのみや妖精ミュージアム開館記念「若月まり子展」開催。毎年百貨店等で個展を開催。
現在、作品制作のほかに妖精画の制作など多面的に活動を展開中。
若月まり子さんのオフィシャル・ウェブサイト アトリエ・ラ・リュンヌ「クロニクル」
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「ロミオとジュリエット」
ウィリアム・シェイクスピア
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ロミオは16歳、ジュリエットは14歳。
萌えたつ新緑のようなふたつの命は、みずみずしい感性で初めてお互いの中に自分を重ねるようにして奇跡の愛を見つけたのです。ともすれば愛を見失ってしまう煩雑な欲望に満ちた大人の社会に巻き込まれる以前の貴重な一瞬のひとときに。
だからふたりは何も迷いはしません。
たとえどんなかたちになろうとも結ばれることだけを唯一の目標として突き進むのです。
まるでふたりがひとつになった一条の光りのように……
家どうしの不和も諍いも、すれ違い行き違いの失敗も光となったふたりの外側で軽々とはじき飛ばされていくのです。待ち受ける死の国でさえも、ふたりを恐れさせることのない甘美な逢瀬の場所でしかありません。
シェイクスピアの優美な言葉のやりとりで、うっとりさせられながらドラマティックに展開するこの物語は、一見悲劇的なようですが、私は彼らがそうして完全に結ばれたのだという安堵と幸福に満たされる思いを強くしてならないのです。けっしてはなればなれになったのではないのだと。
私の中のジュリエット像はそのような愛のめざめから始まり、一途にそれを追い求め、終局に至るまでのすべてを感じさせるものでありたいと願いながら制作しました。どの作品についてもいえることですが、それをたんに物語の一場面だけを切り取ったようなものにはしたくないのです。物語という凝縮した時間が詰め込まれていることに私の作品制作の喜びがあり意味があると思います。
なぜならば、そうすることによって見て下さる人との物語の共有、時間の共有ができるからです。
人形作品を媒介として、私たちは制作者の立場と鑑賞者の立場でありながら、同じ夢の中を行き来しつつ、またそこから新たに生まれる思いがけない冒険の小径をお互いに発見することさえもできるのです。そうして発見する新たな冒険の小径こそ、想像力の翼のはばたくところ。それこそが作る者見る者、それぞれの立場から作品を通して得られるほんとうの楽しみなのではないでしょうか。
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若月まり子人形作品『ジュリエット』
高さ62センチ ビスクドール 2005年
若月まり子さんのオフィシャル・ウェブサイト アトリエ・ラ・リュンヌ「クロニクル」
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