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インタビュー | 舛添要一さん≪全1回≫『舛添メモ 厚生官僚との闘い 752日』 | « Main

インタビュー 舛添要一さん~『舛添メモ』 厚生官僚との闘い752日

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舛添 要一 (ますぞえ よういち)
1948
年、福岡県八幡市(現北九州市八幡東区)生まれ。 71 年、東京大学法学部政治学科 卒業。東京大学法学部政治学科助手、パリ大学現代国際関係史研究所客員研究員、ジュネーブ高等国際政治研究所客員研究員を経て、7989年、東京大学政治学助教授。その後、舛添政治経済研究所を設立。01年、参院選の比例代表(全国)において、1588262票を獲得して自民党トップで初当選。国会や党内では、参議院外交防衛委員長、自民党憲法審議会会長代理、参議院自民党政策審議会長を歴任。078月、安倍晋三内閣に厚生労働大臣として初入閣。続く福田康夫内閣、麻生太郎内閣では引き続き厚生労働大臣を務めた。

舛添メモ  厚労官僚との闘い752
舛添要一著 小学館刊 1,260円(税込)
安倍、福田、麻生3代の内閣で厚生労働大臣として活躍、「日本一忙しい大臣」として国民に認知され
「総理にしたい人」アンケートでも常に上位にランクされる舛添要一参議院議員が、知られざる大臣生活や
官僚との闘いぶりを明かします。
国民にとって最大の関心事である「宙に浮いた年金記録問題」や「新型インフルエンザ対策」にどう取り組んだか。
また、その過程で厚労官僚たちとどう対峙したのかなどを、普段のニュースや
国会中継からはうかがい知れないエピソードを交え、わかりやすく読者に伝えます。
舛添氏の組織掌握論は、一般のビジネスマンにも非常に参考になるものばかり。大臣退任後初となる著作。

-丸の内本店の印象はいかがでしょうか。

 本当は、私は本とか本屋さんが大好きなんです。大臣をやっているときに東京駅から地方へ出張する前に早めに東京駅に着いてSPをともなってきたことがあります。駅の中のキヨスクもいいんですが、大きいところに行きたいと思いまして。そのときは、日曜大工が趣味なので、それに関する本を何冊か買ったと記憶しています。

広々としていますし、機能的にも便利です。普段は政治とか経済の本が多いんですが、日曜大工の本も置いてあるところがすぐに分かりましたので非常に便利でよかったですね。

-海外の書店も含めていろいろな書店をご覧になっていらっしゃると思うんですが、ここがよかったな、こんなものがあればとか、施設としてこういう形であればとか、わがままを言ったときにどんな書店がお好みでしょうか。

 私はずっとヨーロッパの勉強をしていましたので、洋書を見に日本橋店にはしょっちゅう行っていました。海外ですとロンドンに行ったときにはいつも大きな社会科学の専門の書店に行きます。そこに行くと大体そろっていますので。やはり行って欲しい本がそこにあるというのが一番いいと思います。

 それから、今は忙しいからそんなに暇がありませんので、結局、書評などで読んで欲しい本を決めて、インターネットで取り寄せるみたいなことをやっていますが、そうじゃなくて、時間があるときにぶらっと本屋で見て、絶対書評に載らない本、広告に出てない本で、パッと見たときに買うというのは非常に楽しいんですね。

 それから、私はテレビにもよく出演していたので、いろいろなテーマについて調べる必要がありました。今はネットで関連書籍を検索するという方法もあるんですが、手に取って中身を見ることはできません。例えば、明日、ベトナムに行って取材するというようなことがあると、丸善に行って海外事情のアジアのところを見る。そうしたら、ベトナムはベトナムの本でまとめてありますから、バッと見て、これと、これ、と3冊ぐらい買う。これが実を言うと、一番効率的なんです。

ネットで検索したら全部出てきますが、中身をパラパラあけて見られません。そのことを考えると、こういう大きな本屋さんに行って、そのコーナーのところに行って、そこから数冊選んでやるのが一番早いと思います。やはり手に取って見ることができるというのが一番いいし、実を言うと時間もかからないという感じがしますね。そういう意味で、ネットがあってもやはり本屋さんが残る価値は十分あると思っています。

-次の質問です。本とは何ですか。

 それは、やはり、紙というのはなくならないと思います。ペーパー・レスと言ってネットで何でも見られるようになっているけれども、本が一番便利なんですね。ポータブルであるし、小さなものならポケットに入るし、鞄の中に入れてあればどこでも読める。一方、ネットで文字を追っていると目が疲れるし、ゆっくり読むという感じがしません。コーヒーを飲みながらゆっくり読んだりするときには、やはり本というのはいいなと思います。

 それから、インクのにおいというのが好きなんです。小学生の頃、新しい教科書をもらったときに、教科書のインクのにおいで新しい学年が始まるなと思った楽しい記憶があります。本のにおいをかぐというのが非常に好きなんです。そういう体験が皆さんにもあるでしょうから完全にはペーパー・レスにはならないと思います。やはり紙というのは人間の文明の中で最も重要なものの一つで残るだろうと思っていますから。

それから、中身よりも本の装丁にも非常に意義があります。私は出身が福岡なので、 火野葦平 という『麦と兵隊』、『花と龍』などを書いた作家ですが、自分の勉強で研究していますし、ゆかりがあるのでほとんど持っていますが、その表紙を中川一政が描いているんですよ。本にはそのような芸術的要素もありますので、そういう意味でトータルで見てやはり本はいいなと思います。

-一番心に残る一冊というのがあればお伺いしたいんですが。

 それはトルストイの『戦争と平和』かな。『戦争と平和』というのはナポレオン戦争時代の物語です。教科書でナポレオン戦争ってどうだったとかフランス革命どうだったということよりも、ああいう小説からヨーロッパの壮大な戦争の歴史に入ったほうがはるかに面白いんです。トルストイの本は非常に面白いと思います。

-相当な量ですよね。新潮文庫だと4冊ぐらいに分かれていると思うんですが。読まれるきっかけは。

 高等学校のときにある文芸評論家の話を聞きに行って、徳富蘇峰がトルストイに会いに行った話を聞いて非常に面白いなと思って感動して、高校生のときからロシア語を勉強し、受験勉強を夜中の12時までやって、12時過ぎて2時ぐらいまでトルストイを読んでいました。そんなことでは大学受験に落ちるかなと思ったら、受かって東大に入れたんですけど(笑)。

-ロシア語は読めるようになりましたか。

 ある程度できるようになりましたが、もう最近使わないから全然だめですよ。たまに行ったら少しはしゃべれるからロシア人が喜ぶけども。

-では、次に今回出版されました、『舛添メモ』についてです。この本の中で読者に訴えたい一番のポイントというのはどういったことでしょうか。

 政治主導とは何か、要するに改革とは何かということで、国会で官僚の答弁を禁止することが政治主導じゃないんです。日本のいろんな問題点、霞が関の問題点があるし、まあ、現実に大臣というのをやってみて、こういう問題がありましたということなんです。だから、その行間を読んでもらえば、なぜ自民党が選挙に負けたのかということが分かるはずです。それから今、民主党がやろうとしていることも、ちょっと下手したら自民党よりもっと悪くなるということが見れば分かるはずです。これを読んで、今、長妻君がやっていることを見たら、皆、危機感にあおられると思います。

-政権交代がありましたが、民主党の支持率が下がっていて、また自民党にというイメージもあります。幾つかの報道によれば、舛添さんが次期自民党総裁に、ということも書かれていますが、今のお気持ち、捲土重来、自民党が政権を取り返した際には、どんなことをやりたいとお考えでしょうか。

 まず、自民党に政権が戻ることはあり得ないと思います。もう終わった政党ですから自民党を再生してもしようがないので、壊して新しいのを創るしかないだろうというのが今の状況です。

 つまり、それはデータに現れているんです。これだけ鳩山内閣の支持率が下がっても自民党の支持率が全然上がらないんですから。ということは、もうそこまで嫌がられている政党だということだと思います。

どういう形であれ、やはり国民のために仕事をするということがあれば、民主党がなくなろうと自民党がなくなろうとそんなことはどうでもいいことです。日本国と日本国民がなくなったらだめなんで、そのことだけを軸にしてやれば仕事ができると思います。

752 日間、大臣をやって、三つの内閣を生き残ったのはたった一人、私だけなんです。誰も他にやり手がいなかったからなんだけども(笑)。そのときに、自民党のためだとか何のためじゃなくて、どうすれば国民の命や生活を守れるか、それだけを考えて仕事をしていましたから、結局、残れたんだと思いますので、今後ともそういう方針で行きたいと思っています。

-次は、多分プライベートなお話になるんですが、今一番楽しいこと。お仕事の中でも生活の中でもいいんですけれども何でしょうか。

 それはSPがつかないで自由に歩けるようになったことです(笑)。これがね、やられてみないとわからないと思いますが、24時間そばにSPがいるというのは、SPの彼らも嫌でしょうけど、つまり、例えばこの丸善丸の内本店に来るのだって、今から行くからと言っておかないと行けないんです。ちょっとこの辺りを散歩しながら、ちょっとぶらっと入りたいという、「ぶらっと」ができませんでした。今はぶらっとできますから、それが一番楽しい。要するに、自由があるということですね。

-では、お好きな言葉がございましたら。

 好きな言葉は、いろいろ大変なときだから、まあ、「春の風」というか、「春風」という言葉ぐらいがいいんじゃないかなと思っています。皆少し暗くなっているから、春がもうすぐ来ますから、さわやかな春風がね。今の状況だったら、皆、春風を待とうという感じだと思います。「春風」がいいですね。

2009年というのは、どんな年でありましたか。

 政権交代があったわけですから、選挙に負けたから最悪の年であるわけで、そういう意味では政治的にはおもしろくない年でしたが、まあ、浮き沈みがありますから悪いときは悪いので、それをバネにして伸びていかないといかんと思っています。

-では2010年の目標というのは。

 きちんと仕事をするということとともに、日本全体から見ると非常に経済の調子が悪いので、少し日本の立て直しをやらなければいけません。民主党も頑張っている部分があるんでしょうから、それはそれで伸ばすとして、それの足りないところを補っていくということが必要なんです。

 最大の問題は経済です。GDPで見て中国に負けているということなんですね。世界第2位が中国になったので。『坂の上の雲』じゃないけれども、もういっぺん大きな目標を掲げて日本が活力ある国にならないといけないと思っていますので、そういうことのために努力したいと思っています。

-これから日本はまた力を取り戻せるのでしょうか。

 それはもう、日本人は非常に勤勉だし、優秀だし、例えばIPS細胞なんていうすごい発見をするんですが、これを実用化して金を稼げるような商品に仕立て上げるところが欠けています。だから、あまり国が邪魔しちゃいけません。あまり出しゃばってもいけない。しかし、ある程度は手伝わないといけませんので、そういう意味で、事業仕分けみたいな乱暴なことをやっちゃだめですね。科学者が文句を言っています。やはりスーパーコンピューターというのはトップでないとだめなんです。そういうことを含めて活力ある国になれると思いますので自信を持つべきだと思っています。

-では、この本の読者の方に一言メッセージを頂戴できましたら。

 私は医者でもないし、労働組合のトップでもないし、厚生・労働に関しては素人でしたので、だから逆にできたんだろうと思っています。だから、皆さんに支えてもらって、皆に手伝ってもらって、知らないからいろいろな人に聞く、それが一番いいんです。やはり今のような時代というのは自分だけの一人よがりよりも、やはり「万機公論に決すべし」でいろいろな人の意見を聞く。特に医療の現場の人の声が一番大事なんで、いろんな人の言うことをよく聞いて、人に教えてもらって前に進むということをやっていけば舵取りは失敗しないだろうと思います。

 それはもう、本を読んでも読まなくても、私の在任中、年金記録、医療、インフルエンザなどの問題がいかに大変だったかというのは皆さん分かっていらっしゃいます。それを乗り切れたのは私一人の努力だけではできませんでした。だから皆の力を合わせる必要があるので、そういう意味で「オールジャパン」、皆の力でやるしかない。

 それで、今、日本に欠けているのはそういう精神であって、やたら対立しては「敵はどうだ、敵はどうだ」と。だけど、そんな国内で敵はどうだとか言っていては日本は沈みます。団結してやりましょう、そういうことを行間から読み取っていただければと思います。

-ありがとうございました。

 ありがとうございました。

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