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日本橋店の「書斎空間」その2 漱石「こころ」の原稿レプリカ
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今回ご紹介するのも日本橋店1階の「書斎空間」である。通路側に面してアクリルボックスの中にヴィンテージ万年筆、夏目漱石の原稿のレプリカなどが展示してある。
その中から、漱石「こころ」の原稿レプリカに注目したい。
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ディスプレイの向こう側に書斎空間が広がっている。
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丸善インキ(赤)の陶器瓶とオノトマグナ(プランジャー式、1950年頃)。丸善インキの瓶でこれだけきれいにラベルが残っているものは少ない。
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丸善創業125周年(1994年)に制作した「オノトモデルストリームライン」。上のオノトマグナをモデルにした。
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漱石先生の「こころ」の原稿レプリカ。岩波書店による復刻(非売品)。 下一マスが空いているのがお分かりになるだろう。
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同上、岩波書店による復刻。こちらは和綴じで製本してある。(税込220,000円)
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「こころ」は1914(大正3)年4月20日から8月11日まで朝日新聞に掲載された。当時の新聞小説の一行はたて18文字であったが、漱石が好んで使った原稿用紙はたて19文字。原稿用紙の下一マスを空けて使っているのが写真でお分かりになるだろう。その理由は「日本橋店のオススメ文 その20」に書いた。
漱石の弟子たち、寺田寅彦は別格として、小宮豊隆、内田百間、芥川龍之介、森田草平などが漱石山房に集まって、あれやこれやと漱石先生の世話を焼いていた。その中で漱石先生が数々の名作を生み出していった様が目の前に甦ってくる。
書き損じをもらった百鬼園先生が原稿用紙をよくよく見ると鼻毛がついていた。漱石先生が鼻毛を指でむしって原稿用紙にくっつけていたという話(「漱石遺毛」、『無絃琴』所収)は有名である。
特筆すべきは、漱石は当て字の天才で現代でも使われている数々の訓読みを漢字に与えた。沢山(たくさん)、兎に角(とにかく)、浪漫(ろまん)などは漱石の創作した当て字と言われる。英語の教師である以上に漢籍に詳しく、漢字を音の器とせず大和言葉として息づかせた功績は計り知れない。活字となってしまえば見えないその創作過程をレプリカでは垣間見ることができる。
もちろんレプリカには鼻毛は写りこんではいない。
まさに日本橋店イチオシの逸品である。
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