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日本橋店のイチオシ文具 その26~『琥珀ボールペン』

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琥珀ボールペン

今回ご紹介するのは天冠に琥珀が埋め込まれたボールペンである。

回転繰り出し式ボールペン 軸:クロームメッキ サイズ:全長136mm 最大径:14mm
重さ:26g 価格:8,400円(税込)

宝石というのはほとんどが鉱物であり無機物の結晶である。ところが、真珠や珊瑚のように生物である場合もあり、琥珀のように有機物である場合もある。琥珀は宝石といっても「石」ではなく、化石といってもやはり「石」ではないのである。もともと化石というのは「石」そのもののことをそう呼ぶのではなく、そこに生物がいたという痕跡のことを「化石」(fossil: Any record of prehistoric life that has been preserved down to the present day. )というのである、ということを確認しておきたい。(この文を書きながら調べていて始めて知ったので)。

琥珀というのは鼈甲にも似て、無機物の結晶とは違って、温かみ、やわらかみを感じるのであるが、これはもともと樹木(松柏類、松、杉、ヒノキなど)の樹脂(ヤニ)だからなのであろう。もともとがヤニであるから熱を加えると溶ける。さらに熱すると燃えて炭になる。

松柏類の樹木は樹皮に傷がつくとヤニを分泌する。そのヤニがいろいろなものを取り込みながら地面に到達し地中に溜まって固化する。従ってヤニの通り道に小さな虫などがいてヤニに巻き込まれてしまうようなこともある。琥珀の中に虫が入っていたりするのはこんな事情なのである。 厄災に遭わずに残った何万年も前の樹木のヤニが現代の我々にさまざまな情報をパックして送り届けてくれているのである。

世界で琥珀の産地といえばバルト海沿岸、中国の撫順、ドミニカ共和国などがあるが、日本では岩手県の久慈市が有名である。その久慈産の琥珀を装飾にあしらったボールペンが「久慈琥珀」というメーカーから発売された。

光の加減によっては赤くかがいて見える。

特筆すべきは、このボールペンのグリップには溶かして成型した琥珀が使われており、独特の柔らかみのあるテクスチャーと色合いを持っている。さらに天冠に天然の琥珀が嵌め込まれている。
 岩手県といえば宮澤賢治を生み出した郷である。賢治は子どもの頃から石が大好きで、「石っこ賢さん」と家人から呼ばれていたそうである。盛岡高等農林学校で鉱物を専門に学んで、宝石や鉱物に詳しい知識をもっていた。高等農林学校卒業後も地質学を研究しており、父親に反対されて断念したそうだが、人工宝石の事業を起こそうとも考えていたそうである。
 賢治の作品の中には鉱物、地質学の知識がちりばめられているのである。おそらくは賢治も久慈の琥珀を観察したのであろう。

あけがたの 琥珀のそらは 凍りしを 大とかげらの 雲はうかびて (短歌A548)

 久慈の琥珀入りボールペンで賢治に想いを馳せる。
 まさに日本橋店オススメの逸品である。
 

Wikipedia及びボールペンの製造元である久慈琥珀株式会社のホームページ(http://www.kuji.co.jp/)を参考にいたしました。

※当商品は日本橋店のほか、丸の内本店でお取り扱いいたしております。

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