翻訳ミステリー大賞

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第1回    翻訳ミステリー大賞  結果発表!

年間数百冊も邦訳刊行される世界中のミステリーの中から、その年最高のミステリを選出する「翻訳ミステリー大賞」が今年度より始まりました。
プロ中のプロである翻訳者による二度にわたる投票を経て、今年度最高の翻訳ミステリーの栄冠に選ばれたのは、ドン・ウィンズロウ/東江一紀訳『犬の力』(角川書店)です! 北欧の話題作スティーグ・ラーソン『ミレニアム』(早川書房)との一騎打ちを制して堂々の受賞に輝きました。

第1回 翻訳ミステリー大賞
大賞 犬の力
ドン・ウィンズロウ 著 / 東江 一紀  翻訳
角川書店
メキシコの麻薬撲滅に取り憑かれたDEAの捜査官アート・ケラー。叔父が築くラテンアメリカの麻薬カルテルの後継バレーラ兄弟。高級娼婦への道を歩む美貌の不良学生ノーラに、やがて無慈悲な殺し屋となるヘルズ・キッチン育ちの若者カラン。彼らが好むと好まざるとにかかわらず放り込まれるのは、30年に及ぶ壮絶な麻薬戦争。米国政府、麻薬カルテル、マフィアら様々な組織の思惑が交錯し、物語は疾走を始める―。
犬の力 上 (角川文庫)
犬の力 上 (角川文庫)
ドン・ウィンズロウ
角川書店(角川グループパブリッシング)
定価 ¥ 1,000
犬の力 下 (角川文庫)
犬の力 下 (角川文庫)
ドン・ウィンズロウ
角川書店(角川グループパブリッシング)
定価 ¥ 1,000

講評

大賞を受賞した『犬の力』は投票者の過半数の支持を得て、けだし当然の傑作である。
語りの妙、登場人物の人物造型の確かさ、プロットの巧みさ、これほど三拍子揃った作品も そうそうあるまい。加えてこのスケールの大きさ。アメリカのいわば裏面史を俯瞰図としても、 小田実の言った“虫瞰図”としても的確にとらえ、ときの奔流に流される人々の愛憎劇を克明に 描いて間然とするところがない。ここまでスケールの大きな作品はわが国にはあまり例を 見ないのではないか。翻訳とは輸入である。日本にないものを輸入することである。 そういった意味でも本作が受賞したのは有意義なことだった。
最後になったが、登場人物それぞれの移民の話しことばを見事に訳し分けた訳者、東江一紀氏の達意の 訳業にも拍手を送りたい。

翻訳ミステリー大賞 発起人・田口俊樹(翻訳家)

第1回 翻訳ミステリー大賞 候補作品
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女
スティーグ・ラーソン 著 / ヘレンハルメ美穂  翻訳    岩澤雅利  翻訳
早川書房
月刊誌『ミレニアム』の発行責任者ミカエルは、大物実業家ヴェンネルストレムの違法行為を暴露する記事を発表した。だが、名誉毀損で有罪になり、彼は『ミレニアム』から離れることになる。そんな彼の身元を大企業グループの前会長ヘンリック・ヴァンゲルが密かに調べていた。背中にドラゴンのタトゥーを入れ、特異な風貌をした女性調査員リスベットの働きで、ヘンリックはミカエルが信頼に足る人物だと確信し、兄の孫娘ハリエットがおよそ40年前に失踪した事件の調査を彼に依頼する。ハリエットはヘンリックの一族が住む孤島で忽然と姿を消していた。ヘンリックは一族の誰かが殺したものと考えており、事件を解決すれば、ヴェンネルストレムを破滅させる証拠資料を渡すという。ミカエルは信頼を受諾し、困難な調査を開始する。
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上
スティーグ・ラーソン
早川書房
定価 ¥ 1,700
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 下
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 下
スティーグ・ラーソン
早川書房
定価 ¥ 1,700
ミレニアム2  火と戯れる女
スティーグ・ラーソン 著 / ヘレンハルメ美穂  翻訳    山田美明  翻訳
早川書房
背中にドラゴンのタトゥーを入れた女性調査員リスベットにたたきのめされた彼女の後見人ビュルマン弁護士は、復讐を誓っていた。ビュルマンはリスベットの過去を徹底的に洗い、彼女を心の底から憎む人物を探し出した。彼はその人物と連絡を取り、リスベットを拉致する計画が動き始める。その頃、月刊誌『ミレニアム』の発行責任者ミカエルらは、重大な決断をしていた。ジャーナリストのダグとその恋人ミアが進める人身売買と強制売春の調査をもとに、特集号を刊行し、書籍を出版することを決定したのだ。ダグの調査では、背後にザラという謎の人物がいるようだった。旅行先から帰ってきたリスベットもダグの調査を知り、独自にザラを追い始めた。だがその矢先、彼女の拉致を図る者たちの襲撃を受けた!話題沸騰!今世紀最大のミステリ『ミレニアム』三部作、激動の第2部に突入。
ミレニアム2 上 火と戯れる女
ミレニアム2 上 火と戯れる女
スティーグ・ラーソン
早川書房
定価 ¥ 1,700
ミレニアム2 下 火と戯れる女
ミレニアム2 下 火と戯れる女
スティーグ・ラーソン
早川書房
定価 ¥ 1,700
川は静かに流れ
ジョン・ハート 著 / 東野さやか  翻訳
早川書房
「僕という人間を形作った出来事は、すべてその川の近くで起こった。川が見える場所で母を失い、川のほとりで恋に落ちた。父に家から追い出された日の、川のにおいすら覚えている」殺人の濡れ衣を着せられ故郷を追われたアダム。苦境に陥った親友のために数年ぶりに川辺の町に戻ったが、待ち受けていたのは自分を勘当した父、不機嫌な昔の恋人、そして新たなる殺人事件だった。 アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作。
川は静かに流れ (ハヤカワ・ミステリ文庫)
川は静かに流れ (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ジョン・ハート
早川書房
定価 ¥ 1,029
グラーグ57
トム・ロブ スミス 著 / 田口 俊樹  翻訳
新潮社
運命の対決から3年―。レオ・デミドフは念願のモスクワ殺人課を創設したものの、一向に心を開こうとしない養女ゾーヤに手を焼いている。折しも、フルシチョフは激烈なスターリン批判を展開。投獄されていた者たちは続々と釈放され、かつての捜査官や密告者を地獄へと送り込む。そして、その魔手が今、レオにも忍び寄る…。世界を震撼させた『チャイルド44』の続編、怒涛の登場。
グラーグ57〈上〉 (新潮文庫)
グラーグ57〈上〉 (新潮文庫)
トム・ロブ スミス
新潮社
定価 ¥ 700
グラーグ57〈下〉 (新潮文庫)
グラーグ57〈下〉 (新潮文庫)
トム・ロブ スミス
新潮社
定価 ¥ 700
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